俺とベース

俺の好きな音楽とベースと機材と... 「みんな名曲、名演、名機なのだ」

俺と歪みとビリー・シーン

このようなブログタイトルで書き始めておいて最初に言っておく事がある。

 

正直俺、歪んだベースはそこまで好きじゃないwww

 

誤解のないように!

自分がプレーする分にはって事!

人のやるカッコいい歪みサウンドは好きだ。

 

 

過去色々ベース用歪み系エフェクトをいじる機会はあって、その度にツマミを色々いじって理想の音色を作ってみるのだけど、散々いじり倒した挙句最後にスイッチを切った時

 

「うーん、やっぱりクリーンはいいなw

 

となってしまうw

 

多分そんなに歪み系ベースからの影響が少ないのだろう。

なので歪んだベースで「こんな曲を弾いてみよう」「この音でこんなプレーをしてみよう」みたいなイメージが乏しいのだろう。

故にいざエフェクターを目の前にしてもエフェクターを使う事やツマミをいじる事が目的化してしまってるのだろう。

それじゃ辿り着かないよね。

目的やイメージがあるからこそ必要な機材やプレーがある。

 

そんな俺でも多少は歪んだベースがカッコイイ!と思えるプレーがあるのでちょこっと紹介する。

 

ジャック・ブルース


Cream Crossroads

ご存知クロスロード!

これは大学生時代、初めて聴いた時は衝撃的だった。

特にインタールードのアタマ(2:33)からは

「ベースってこんなメチャクチャやっていいものなの?」

と驚いた記憶がある。

そして大学の音楽サークルの仲間とこの曲を演奏する事になり、当時TAB譜を使って一音一音丁寧にコピーした。

本来ならTAB譜で演奏するような曲ではないだろうが、当時こんなの聴いただけでコピーなんて出来なかった。

もちろんコピーし終わった後もちゃんと弾けてはいなかっただろうが...

 

ティム・ボガート


Beck, Bogert & Appice - Lady - 02

BBALady!

これもジャック・ブルースに負けず劣らず荒くれベースだw

間奏なんかギター喰ってしまってる...

しかし荒くれは荒くれでも全体や歌中のフレーズに凄くいいセンスを感じる。

この曲は本家に習ってベースボーカルにチャレンジしてみた。

この荒くれベースを弾きながら歌も歌うのは難易度はとても高いがやっていて気持ち良かった。

 

ビリー・シーン


Mr. Big - Addicted To That Rush (live in Japan - 1993)

俺くらいの年齢だとこの人を置いて他にいないだろう。

並々ならぬテクニックで我々を魅了した。

もはやベースのサウンドとプレーではない。

当時(今でも)こんなベースサウンドとプレーは聴いた事がなかったが、大人になって色々わかってくると恐らく前述のジャック・ブルースやティム・ボガートの影響があると思われる。

 

こうやって挙げてみるとどうやら俺はギラついたディストーションサウンドよりもアンプがオーバーロードしたようなナチュラルな歪みが好みのようだ。

 

そんな俺が所有する歪み系エフェクトを紹介する。

 

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ビリー・シーンシグネチャードライブ

 

これを最初に知った時

「こんなモノ高校生がミーハーで買う機材だろ!!」

と思った。

しかし実機を持ってる知人がいて試奏したところ

「これはなかなか良い!ビリー・シーンフリークじゃなくてもいいと思える歪みなのでは?」

と思った。

「これを挿せば誰でもビリー・シーン!」

とまではいかないだろうが工夫次第ではちょっとはニュアンスは出ると思う。

なぜならビリー本人もこのエフェクトを本番で使っているからだ。

 

例えばこのエフェクト一台を使うとして、楽器は一般的な楽器の中ではプレベを使うとビリーのようなサウンドに近づけれるんじゃないかと思う。

ビリー本人も今のシグネチャーモデルをメーカーに作ってもらう前の自作改造ベースはプレベが基盤になってた。

逆にジャズベに挿しても全くビリーのニュアンスにはならないと思う。

EQはビリーはローとハイをばっさりとカットするイコライジングにしている。

グライコで言ったら見た目が山なりになるような感じだ。

普通はこんなイコライジングはしないw

 

手っ取り早くビリーごっこをやりたければこの2点を取り入れて研究してみたら少しはニュアンスが出せるかもしれない...

 

しかし本当はそんな事どうでもいいのだ。

 

良く言われる事だが機材を真似たところで、極端な話本人と全く同じ機材を使ったとしても本人と全く同じ音にはならない。

ビリーのあのサウンドは機材だけで作られてるのではなく、やはり弾き手のタッチやフレーズの歌い方、タイミング、マインドによって作られている。

俺のイメージではサウンド

「機材よりも人8割」

くらいに思ってる。(もっとかな?)

機材はそれのちょっとした手助け程度。

 

その証拠となる映像がこちらだ


Billy Sheehan_Richie Kotzen_Tal Bergman In Tokyo

 

これは今から13年前、俺がハウスバンドとして出演してたハコにビリー・シーンがたまたま遊びに来た時の映像だ。

ギターはリッチー・コッツェン

曲はヤードバーズShapes Of Things!

原曲とは全然違うがカッコいい!!

 

ビリーのプレーもいつものビリーらしさを感じる事ができるが

 

「ビリーの弾いてる機材、コレ全部俺の私物でセッティングも俺ですwww

 

どこにでも売ってる安いプレベ

ノー歪み、ノーコンプで普遍的なEQです。

 

でもビリーらしさはもちろんの事、音歪んでるように聴こえません?w

 

このセットは間違いなく歪み成分ゼロだがタッチ、歌わせ方、フレーズやグリスのタイミングなどで歪んで聴こえるのだ。

もうフレーズが歪んでると言っても言い過ぎではない。

 

これを目の当たりにした時、

「やっぱり音楽は機材じゃないんだ...

と思った。

そしてこれを若い時に経験できたのは良かった。

 

もちろん機材が重要じゃないとは言わない。

ビリーだって世界中探しても他誰もいないような機材を使い、誰もしないような改造をし、誰もしないようなセッティングをしてるw

 

しかしそれは先ず自分の出したい音のイメージがありきで、それに対して機材選びや改造をする必要があってやってるのだ。

まず自分の出したい音のイメージを明確に持つ事がスタートなのだろう。

そしてそれに対して自分のフィジカル面を近づけて行く。更には機材やセッティングなども。

 

そう考えると世界で自分だけしか出せない音をハイレベルで出せる人ってどんなに凄い事なのだろう..

 

しかし俺の私物の結構ネックの反った弦高の高いベースで、しかもノーコンプ、ノー歪みでよくあんなごっついトリルができるもんだよな。。。

 

 

この動画はこの時ビリー御一行様と同行してたスタッフが撮影してたもので、後にyoutubeにアップされた。こちら側が盗撮したり無断でアップロードしたものではありません。

動画の最後に弾き終わったビリーからベースを受け取りに駆け寄ってる若かりし俺も映っていますw