(派手ではないが絶妙に音が良くなる)俺のベースドライブ
先日参加したレコーディングは俺が苦手としているベース用歪み系エフェクターをフル活用した。
今回は歪み系を2台使い、1曲はかなりハードに歪ませてみた。
やはり歪み系は慣れていないし苦手な分野なので「この音で大丈夫かなぁ...」と心配だったが周りからの評判は良くなかなか良い音を録音できた。
一台はこちら。
Mark Kendrick Design「Furnace Bass Drive」
これはフェンダーカスタムショップの有名なマスタービルダーであるマーク・ケンドリック氏が独立して立ち上げたエフェクターブランドだ。
なんと一台一台マーク本人が最終チェックをしているという。
これは楽器屋さんの謳い文句では
「サチュレートしたチューブのような太く暖かいドラブ感が...」
という昔からよく聞くような商品説明なのだが実際のところはどうか...
これは俺の主観なのだが、チューブアンプの良さ、チューブアンプで音を出した時に感じるあの音圧感や旨味成分たっぷりの音色はチューブアンプのパワー管によるところが大きいのではないかと思われる。
俺はプリ管のみチューブというアンプを所有してるが、音色こそ若干の温かみや色気、チューブによるナチュラルなコンプレッションを感じるものの、フルチューブのアンプの音の存在感にはやはり劣るように思う。
ましてやチューブを使用してない手のひらサイズのエフェクターを使用しただけで
「私達のソリッドステートのアンプがチューブアンプに早変わり!」
なんて虫のいい話はないと思っている。
だってもしそんな機材が実現したらもう誰もチューブアンプなんて買わないし作らないだろう。
やはり「高価」「安定しない」「すぐ壊れる」「クソ重い」という悪条件を受け入れる覚悟ができた者のみ、あのチューブのサウンドを出す資格があるのだ。
ではこのFurnace Bass Driveは大したことないエフェクターなのかというと決してそんな事はなくとてもいいエフェクターだ!
ソリッドステートのアンプセットがまるでチューブアンプのようになってしまうというのは期待過剰だが間違いなくいいフィーリングが得られる!
決してハードに歪むエフェクターではなくGAINツマミを上げていくと12時くらいで歪むか歪まないかくらいの音色になり、ベースの気持ちいい倍音が増してアンサンブルの中で埋もれないちょっとコンプレッションがかかったような塩梅のサウンドになる。
俺はこのセッティングが一番好きで、このセッティングで常時ONみたいな使い方をしている。
ここぞとばかりに踏んで歪ませるというよりはプリアンプ的な使い方だね。
今回は基本的にこのセッティングで録音し、一曲だけこのエフェクトのGAINをMAXで録音してみた。
GAIN12時に比べると、ベース単体で聴くと
「おー結構歪んだなー!」
って感じだが、ロック的なアンサンブルの中で聴くと「ザ・歪みベース」というほどハードな歪みではなく気持ちいいドライブ感だ。
そしてこのエフェクターは歪み系エフェクトにありがちな低音の痩せがないのが有り難い。ベースらしい太さを残したままそこに歪み成分が加わっていくという感じだ。
俺はこのエフェクターは「飛び道具的歪みエフェクター」としてではなく、12時前くらいから「心地よい倍音」そこから徐々に「ナチュラルなコンプレッション」「気持ちいいドライブ感」とサチュレーション感を足していくエフェクターとして使っていて、非常に重宝している。
ベース本体を替えたりプリアンプの設定を変えたりしなくてもある程度曲に合わせた音色変化が加えられるところが便利だ!
もう一曲はコレだ!
高校生がミーハーで買ってしまいそうな機材に見えて実はなかなかいい歪みを作れるビリー・シーンシグネチャードライブ!w
このエフェクターを使って今回一番歪んだ音色を作った。
これは本来ビリー・シーンの音色に近付ける為のエフェクターではあるが、今回はその音色は狙わないつもりで持ち込んだ。
今回全てパッシブジャズベースで録音したのだが、ジャズベースにこのエフェクトではビリーのサウンドは狙えない。
ハイ・ミッド辺りが「ガラガラ!」と歪むハードな歪みを作ってその曲に当てたかった。
先にfurnaceを使った後にコレを使ったのでやはり低音の痩せがいつもにも増して気になった。
でもまぁそれは想定内。
いい意味で下品な歪みを狙いたかったのでw
低音が痩せるからと言って必ずしも音楽的に使えない機材というわけではない。
もしビリーサウンドを狙うとしたら本来のベースらしいローなど不要なのだw
既にベースは全て録り終えた。
歪みを積極的に使ってレコーディングしたのは初のチャレンジなので完成が楽しみだ!
inner bamboo UⅡ(コンプレッサー)
↓
Furnace Bass Drive(ブースター・オーバードライブ)
↓
inner bamboo BⅡ(プリアンプ)→BOSS TU2(チューナー)
↓
AVALON U5(DI)→ライン録り
↓
HARTKE Bass Amp MODEL2000(アンプ)
↓
HARTKE 4.5XL(キャビネット)
↓
マイク録り
今回のレコーディングはこんなセットでした。
アンプとキャビはレンタル。
ぱっと見色々使ってるように見えるがまぁ内容はシンプル。
気付いたら最近機材レビューが多いな。
たまにはベースシリーズや作曲シリーズも書こう。