ベーシストの為の秀逸ベースライン2
質の高いベースのフレーズやプレーを語る上で避けて通れないのが黒人ベーシストだ。
奴らの身体能力とハーモニー感覚、何を弾いても弾むようなあのノリにはもうどうやっても敵わないから本当のところは放っておきたい案件だ。
もう嫉妬とコンプレックしかなく、ブラックミュージックは嫌いという事にさえしたくなる。
きっと奴らには一生悩まされ続けるだろう...
俺みたいにそんなひねくれた思いを抱くベーシストもいない事はないだろう?w
今回はそんな俺の嫌いな黒人ベーシストについてだ。
Street Walkin’ Woman(Marlena Shaw)
ストリートウォーキンウーマン(マリーナ・ショー)
(bass:チャック・レイニー)
Marlena Shaw - Street Walkin' Woman
マリーナ・ショーのアルバム「Who Is This Bitch, Anyway?」から「Street Walkin’ Woman」だ。
スピード感のある16ビートのセクションとスウィングのセクションが交互に展開されるスリリングな曲だ。
ベースはチャック・レイニー御大。
御歳78歳だ。(2019/3/1)
本来なら
「おじいちゃん、長生きしてね(o^^o)」
くらいの年齢であるが現在も現役だ。
この曲のベース、最初から最後まで秀逸なのだが、今回ピックアップしたいのはヴァースにおけるベースフレーズ。
この曲は4小節の短いヴァースが曲の中で3回出てくるのだが、どれも全く違うアプローチで全部ノリノリご機嫌&超ハイテクニックなのだ。
ヴァース1 0:16
ヴァース2 0:36
ヴァース3 1:21
キレッキレである...
お手上げだ...
俺のヤワな指では何本あっても追いつかない。
ところがチャック・レイニーによるこのフレーズは指一本で弾かれている。
「え?」
そう。「え?」である...
チャック・レイニーのワンフィンガー奏法は人差し指一本で、16分の早いフレーズは人差し指を上下させるオルタネイトでピッキングしてるのだ。
だから言ったではないか..,
奴らの身体能力にはもうどうやっても敵わないし一生悩まされ続けるだろう。
とは言ったものの一応前向きに頑張ってみてはいる。
実は俺、チャック・レイニーに会った事がある。
マリーナ・ショーのビルボード公演で来日した際、関係者の御厚意で楽屋まで入れてもらったのだ。
そしてドキドキしながら会った時の印象は、
デカい....
例えるなら巨木だ。
いや、もう御神木と言った方が正確だ。
恐る恐る握手を求めたら何とチャックのヤロー、俺に指相撲を挑んで来やがった。
「負けてたまるか...せめて指相撲だけでも...」
俺の短い親指は一瞬にしてチャックの長い親指にねじ伏せられた。
なんか勝って喜んでた。
お茶目な先輩であった。
良い思い出である。
※ところどころ大先輩に対する不適切な表現を含みますがリスペクトの裏返しなのでご了承ください